top of page

News

検索

三井金属鉱業株式会社と核融合炉ブランケットの共同開発契約を締結しました

  • 執筆者の写真: naho yoshimura
    naho yoshimura
  • 4月2日
  • 読了時間: 3分

創業約150年の歴史を持つ非鉄金属のリーディングカンパニーとともに、商用発電炉に必須の国産ブランケット開発で、持続可能な新産業創出に挑む


株式会社Helical Fusionは、このたび、三井金属鉱業株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:納武士、以下「三井金属」)と、商用の定常核融合炉の開発に必須となる「ブランケット」に関する開発を共同で進める契約を締結しました。

■核融合開発の意義
世界の人口は2050年までに約17億人増加すると予測*され、生成AIの普及も背景とした世界的な電力需要の急増に対し、既存発電方法のみで応えることは厳しい見通しです。核融合発電は、太陽の輝きと同じ原理を使ったクリーンで安全性の高い発電方法であり、海水からほぼ無尽蔵に採取可能な燃料を用いることからも、こうした世界的な課題を抜本的に解決する技術として期待されています。核融合のプラント建設および電力市場は2050年までに世界で年間5500億ドル規模にまで成長するとの試算**もあり、今後自動車産業のように日本が世界をリードする巨大産業を創出できる可能性がある一方、国際的な開発競争も激化しています。Helical Fusionは世界最速での定常核融合炉を2034年までに実現し、世界中で商用化することで、持続可能なエネルギー源の社会実装を目指しています。

*国際エネルギー機関(IEA)年次報告書 「2023年版世界エネルギー見通し」(World Energy Outlook 2023)

**FusionX/Helixos report Global Fusion Market Analysis: Electricity, Supply Chain & Construction (https://fusionxinvest.com/data-analysis/analysis/)

 

 

■ブランケット開発の重要性

Helical Fusionが開発する「ヘリカル型核融合炉」は、岐阜県にある世界有数の核融合の国立専門研究機関「核融合科学研究所」等における、70年以上の研究の知見を引き継ぐものであり、プラズマ研究・炉設計と工学研究成果の観点から、既に実用化に向けたハードルをほとんどクリアしています。残された数少ないハードルの1つがブランケット開発であり、核融合反応から電気を作るための「エネルギーを取り出す」「燃料を増やす」「装置全体を守る」役割を担う重要な部品ですが、製作の難易度が高く、世界中でもまだ実装した装置はありません。

今回の契約を通じて、三井金属の高度な材料開発技術とHelical Fusionの核融合炉開発の知見を融合し、世界初の事例を目指してブランケット開発を加速させていきます。


 

■三井金属について

1950年設立、非鉄金属製錬を中心に、機能材料・電子材料の製造・販売、資源開発、貴金属リサイクル、素材関連事業、自動車部品の製造・販売 等の事業を営み、新たな領域におけるマテリアル開発にも強みを持つ。「探索精神と多様な技術の融合で、地球を笑顔にする。」をパーパスとして掲げる。2023年、三井金属コーポレートベンチャーキャピタルを通じてHelical Fusionに出資。出資を皮切りに新たな分野でオープンイノベーションを推進。



■提携開始を受けて

Helical Fusion 共同創業者 代表取締役CEO 田口昂哉 コメント


三井金属様には、弊社事業の可能性に共感いただき、これまでも出資という形で事業を応援いただいてきました。今回、金属メーカーの中でも新マテリアルの開発をリードする技術力で、開発現場でも共に走っていただけることに感謝しております。150年の歴史の中で積み上げてこられた知見に、核融合という新たな可能性に満ちた領域を掛け合わせ、世界初の挑戦を実現していくパートナーとして、非常に心強く感じております。




Helical Fusion共同創業者 代表取締役CTO 宮澤順一 コメント


ブランケット開発は、アカデミアを中心に研究が重ねられてきたサイエンスの領域から、実際に核融合炉を組み上げ、エネルギーを作り出していくためのエンジニアリングの領域への架け橋とも呼べる挑戦です。多彩な材料を活かしてマテリアルの制約を解き放ち、共創に取り組んでいただける三井金属様の存在に感謝し、力を合わせて、次の100万年を担う核融合炉を作り上げていきます。

 


以上

 
 
bottom of page